社説 京都新聞トップへ

熱中症  危険認識し身を守ろう

 猛烈な暑さが続いている。熱中症で多くの人が病院に搬送され、亡くなる人も出ている。
 近年、熱中症による夏期の救急搬送者数は全国で5万人前後という高水準で推移している。梅雨明け直後のこの時期が、最も発症しやすい。暑さに体が慣れていないためだ。
 14日からの3連休も、35度以上の猛暑日になる地域が相次いだ。救急搬送された人は15日だけで2千人を超えた。米原市で女性、大津市で男性が死亡した。
 厳しい暑さは今週も続くとみられる。今や「災害」とも言われる熱中症である。危険性を十分認識し、台風と同じように気象情報に注意を払う必要がある。水分補給などで身を守りたい。
 熱中症は高温多湿の場所に長時間いることで、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温の調節機能が低下して発症する。
 めまいや頭痛、手足のしびれ、吐き気などが起き、重症化すれば生命を脅かすことになる。
 とくに注意したいのが「高熱弱者」とされる子どもや高齢者だ。一昨年の救急搬送者のうち、65歳以上は50%を占め、7歳以上18歳未満は13%、生後28日から7歳未満も1%いたという。
 子どもは背が低く地面に近い分、暑さの影響を受けやすいとされる。14歳ぐらいまでは汗を出すなどの体温調整機能も未熟だ。
 高齢者が部屋で熱中症になるケースも多い。食事の量が少ない分、水分やミネラルが不足しがちだ。家族をはじめ周囲の人ができるだけ目配りをしてほしい。
 環境省は熱中症の起こりやすさを示す「暑さ指数」の情報サイトを設け、日常生活や運動についてアドバイスしている。例えば指数が31度以上では運動は「原則中止」としている。
 中高生はクラブ活動中の発症に注意が要る。ところが大津市の中学校で、顧問から校舎周囲を80周走るよう指示された生徒が熱中症で倒れる事案があった。
 もってのほかのことである。部活動の在り方を改めて見直し、再発防止を肝に銘じてほしい。
 今年はとくに西日本豪雨の被災地が心配される。断水も続いており、多くの被災者は過酷な状態に置かれている。
 「何とか支援を」と炎天下でもボランティア活動や復旧作業が続いている。頭が下がるが、くれぐれも無理はしないよう注意してほしい。予防を呼び掛け合って酷暑を乗り切りたい。

[京都新聞 2018年07月17日掲載]

バックナンバー
 
著作権は京都新聞社に帰属します。
ネットワーク上の著作権について(日本新聞協会)