京都新聞
紙面特集

KYOTOGRAPHIE
ローレン・グリーンフィールド展 ジャン=ポール・グード展
京都新聞ビル印刷工場跡ほか(特集)

ローレン・グリーンフィールド「シュエ・チーウェン、43歳、お気に入りのヴェルサーチの家具で飾られた上海のアパートにて」 2005年

 光と影 浮き出る 世界

 国内外から多彩な写真家が参加する京都国際写真祭「KYOTOGRAPHIE(キョウトグラフィー)」が14日、京都市内15カ所で開幕する。同祭は今年で6回目。新しさと伝統が共存する京都の時代空間を生かし、寺社から近代建築、現代ギャラリーまで多様な場所での展示を繰り広げてきた。今回注目を集めるのが、京都新聞本社ビル印刷工場跡と明治洋風建築の京都文化博物館別館、それぞれの展示だ。

ローレン・グリーンフィールド「ミジャヌー、18歳、ビバリーヒルズ高校でベストボディに選ばれ、 毎年海の日に友達とビーチに行くために授業をサボる、 サンタモニカ、カリフォルニア」 1994年
ローレン・グリーンフィールド「イロナ、4歳の娘ミシェルと、モスクワの自宅にて」 2012年

 京都新聞印刷工場は1975年から2015年11月までほぼ毎日、新聞を制作してきた場所だ。現在は巨大な輪転機が撤去され、ビル北側の地下1階から3階分、高さ10メートル、広さ1000平方メートルという巨大空間がぽっかりと空いている。

 この空間を活用するのは、1966年生まれ、米国の写真家ローレン・グリーンフィールド。きらびやかで、虚飾にあふれた現代文明の富への欲望を被写体に、写真やスライドプロジェクションで表現する。かつてのアメリカンドリームは経済格差の拡大、階層の固定化で色あせ、セレブに憧れて夢を借金で「前借り」する人々の多くは現実に打ちのめされる。大富豪が大統領となった大国の強すぎる光と影を映し出す。高い天井から巨大な作品をつり下げるなど、どんな視覚世界が展開されるのか、楽しみだ。

ジャン=ポール・グード「加工/アップデートされたグレース」、ペインテッドフォト、ニューヨーク、1978年
© Jean-Paul Goude

 一方、旧日本銀行京都支店だった京都文化博物館別館では、40年生まれのジャン=ポール・グードの展覧会が開かれる。写真家、グラフィックデザイナー、映像監督などの顔を持ち、ファッション界や広告業界でも活躍する奇才。セクシャリティーや身体美、鮮烈な色彩感覚をスリリングに組み入れた写真作品を公開する。会場では会期中、ダンサーがグードの振り付けたダンスを繰り広げる。

 今年の同祭のテーマは「UP」。世界的、国内的に複雑で多様な問題が山積する中、それぞれの価値観を共有してポジティブに自身や世界を変えていこうとの思いが込められている。


ひんやりとした無機質な京都新聞ビル印刷工場跡。巨大なロール紙を運んだレールやインキのにおいが名残をとどめる(京都市中京区)
ジャン=ポール・グード「坂本龍一、Kenzo x H&M」 透明カットアップ、パリ、2016年
ジャン=ポール・グード「立体構成主義のグレース、デリア・ドハーティとのコラボレーション」 ニューヨーク、1981年
© Jean-Paul Goude
案内
◇KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2018
【会  期】4月14日(土)~5月13日(日)
【パスポート】一般4000円 学生3000円 団体割引(10人以上)3500円
1DAY 一般3000円 学生2000円 団体(同)2500円
【問い合わせ】KYOTOGRAPHIE事務局075(708)7108
 
■ローレン・グリーンフィールド展「GENERATION WEALTH」■
【会  場】京都新聞ビル印刷工場跡地下1階(京都市中京区烏丸通夷川上ル)
【開場時間】午前10時~午後5時、5月2日以外の水曜と5月6日は休み
【入 場 料】無料
 
■ジャン=ポール・グード展「So Far So Goude」■
【会  場】京都文化博物館別館(中京区三条高倉)
【開館時間】午前10時~午後7時 4月30日以外の月曜休館
【入 場 料】一般1200円 大学・高校・専門学校生1000円 中学生以下、障害者手帳提示の人は無料(付き添いは有料)

 ※両展は、一般社団法人KYOTOGRAPHIE主催 京都市、京都市教育委員会、京都新聞共催

【2018年4月13日付京都新聞朝刊掲載】